【概念思考|即行】

「即行」とは、すぐに行くこと、すぐに行うこと、そして直ちに実行することを意味します。

「即」という字は、「卩(ひざまずく人)」と「皀(食器に盛られた食べ物)」を組み合わせた漢字です。人が食べ物の方を向き、「すぐに食べようとする様子」から、「すぐ」「その場で」という意味を持つようになったとされています。

一方の「行」は、交差する十字路の形から生まれた象形文字です。人が道を行き来する姿から、「いく」「おこなう」という意味を表すようになりました。

つまり「即行」とは、考えているだけではなく、その場で一歩を踏み出し、行動に移すことだと捉えることができます。

私は「即行」を概念化すると、

「受入れる」
「素直」
「成長」

の三つで捉えています。

即行とは、何らかの学びや気づきがあったときに、いろいろな理由をつけて先延ばしにせず、まずはやってみることだと思います。

「これは良い」と思ったのであれば、試してみる。

ところが、「時間ができたら」「もう少し準備が整ったら」「いつかやってみよう」と考えているうちに、そのとき感じた熱量は少しずつ失われていきます。

せっかく得た学びも、行動しなければ、自分のものにはなりません。

人は時間が経つにつれて、学んだことを忘れていきます。翌日になれば多くのことが薄れ、さらに時間が経てば、「何を学んだのか」「なぜ大切だと思ったのか」さえ曖昧になってしまいます。

そうなれば、せっかく参加したセミナーや、人から教えてもらったことも、単に「知った」というだけで終わってしまいます。

だからこそ、学びがあったときには、まず「受入れる」ことが大切です。

そして、良いと思ったことは、できるだけ早く実践してみる。

ここには、前回の「素直」とも深いつながりがあります。

「自分には必要ない」
「今までのやり方の方が良い」
「本当に効果があるのだろうか」

と最初から否定してしまえば、行動には移りません。

まずは素直に受け入れて、やってみる。

もちろん、即行するということは、何でも考えずに実行するという意味ではありません。

一度やってみて、結果を見る。そこで得た経験を振り返り、良かったところ、うまくいかなかったところを考える。そして、必要であれば軌道を修正して、もう一度やってみる。

この繰り返しによって、単なる知識が、自分自身の経験へと変わっていきます。

そして、もう一つ大切なのが「継続」です。

すぐに始める力と、続ける力は、似ているようで違う能力だと思います。

即行は、ゼロからイチへ動き出すための瞬発力です。一方、継続は、その一歩を積み重ねていく力です。

私は、一つのことを習慣として身につけるためには、まず100日程度続けてみることを一つの目安にしています。

一度やって終わるのではなく、続けてみる。その中で反省し、少しずつ自分に合った形に修正していく。

そうすることで、最初は人から教えてもらっただけの知識が、やがて自分自身の「見識」になっていくのだと思います。

知識は、知っているだけでは力になりません。

受け入れる。
素直にやってみる。
経験から振り返る。
そして、修正しながら続ける。

この積み重ねによって、人は「成長」していきます。

即行とは、単に行動が早いということではありません。

学びや気づきを、その場で行動に変え、自分自身の経験へとつなげていく姿勢なのだと思います。

素直に受け入れ、すぐに行動し、そこから学ぶ。

この繰り返しが、知識を見識へと変え、自分自身を成長させていくのではないでしょうか。