【職場巡視のイノベーション】「ただ歩くだけのパトロール」になっていませんか?不安全行動と不安全状態を見抜く「巡視のプロの眼」
工場や作業現場で定期的に行われる職場巡視ですが、あらかじめ決められたルートをただ歩き、チェックリストを埋めるだけの形骸化したパトロールになっていないでしょうか。本来の職場巡視は、単なる確認作業ではなく、潜在する労災リスクを未然に摘み取るための重要な管理活動です。
現場で発生する事故の原因は、設備や環境に起因する「不安全状態」と、作業者の振る舞いに起因する「不安全行動」の二つに大別されます。実効性の高い巡視を行うためには、これら双方の要因を的確に見抜く視点が不可欠となります。
不安全状態の検知では、機械の回転部の露出や安全カバーの未設置、床面の油膜や配線の乱れといった物理的な危険箇所に着目します。一方で、保護具の未着用や手順の省略といった不安全行動の見極めには、作業者の姿勢や動線の中に潜む「無理」や「不自然さ」に気づく眼が必要となります。
姿勢に無理がある作業や重い物を無理な体勢で運ぶ動作、遠回りや無駄な交差が発生している動線は、疲労の蓄積や焦りを生み、最終的に不安全行動を引き起こす要因となります。巡視においては、静止した設備だけでなく、動いている人間と作業の流れ全体を観察することが重要です。
職場巡視の質を高めることは、安全衛生の確保にとどまらず、作業性の改善や品質向上にも直結します。チェック項目を機械的に確認する姿勢から脱却し、作業者の挙動や環境に潜むわずかな違和感を捉える視点を取り入れることで、事故のない強い現場づくりを進めてみてはいかがでしょうか。



