【概念思考】尊己及人

「恐れ、怒り、悲しみ、ねたみ、不足不満の心、それはただに、一切の病気の原因になっているだけではない。生活を不幸にし、事業を不振にするもとであり、己の不幸をまねく根本原因である」

己の大きな向上、躍進、完成は、己を空しくすること、すなわち自らの身を捧げることにあります。己を尊ぶことの究極は、見返りを求めず他者や社会へ自らを「ささげる」ことにほかなりません。

「己」という言葉の語源を紐解くと、私たちが立ち戻るべき自己のあり方が見えてきます。

漢字の起源からみる「己」

もともとは、バラバラの糸を整然と巻き取るための「糸巻き」の形をかたどった象形文字。

糸巻きが乱れた糸を正しく整える道具であるように、「己(自分)」とは、放っておけば恐れや怒りで乱れてしまう心の糸を、自らの意志で美しく整え、規律を正していくための起点となる存在なのです。

「尊己及人」を捉える私の概念としては、以下の3点です。

成功

素直

利他

【コラム:怒りを消し去る「万事感謝」の盾ーー己を空しくする究極の素直が拓く成功の道】

己を尊ぶということは、独りよがりに自己を主張することではありません。自分自身を真に大切にできて初めて、他者を心から労わる「利他」の気持ちが芽生え、社会との豊かな繋がりが生まれるのです。

自分を大切にする上で、最も避けるべきなのが「怒り」の感情です。 怒りは他者に恐怖と不信を植え付けるだけでなく、自分自身の心身を鋭い刃物で深く傷つける最大の要因となります。しかし、怒りは生存本能に根ざした強烈なエネルギーであるため、発生した後に力任せに「制御」しようとしても、完全に鎮めることは極めて困難です。

だからこそ、私は怒りを無理にコントロールするのではなく、怒りそのものが湧き上がらない心の土壌を作ることが最善であると考えています。その鍵となるのが「万事への感謝」の徹底です。たとえ理不尽な罵詈雑言を浴びせられたとしても、それすら自らを磨く機会として素直に感謝の念で受け止める。この姿勢が身に付けば、心に怒りの火種が宿る隙間そのものを無くすことができます。

そして、己を尊ぶことの極みである「ささげる」という行為は、大いなる流れに自らの身を委ねる「究極の素直」に通じています。

損得勘定を捨て去り、誰からの強制でもなく、ただ自らを空(から)にして他者のために尽くす。この我欲のない「空」の境地に達したとき、人間はどのような逆境が降りかかってきても恐れるものがなくなり、他者を傷つけることも決してありません。自らを空しくしてこそ、本当の強さが生まれ、人生は必然的に真の「成功」へと導かれるのです。

「己を尊ぶの極は、ささげるにある」ーー 今日、あなたは自らの心をどのように整え、誰のためにその身をささげますか?

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