【概念思考】 今日のテーマ:受容 

【定義や成り立ち】 

定義: 外部からのあらゆる刺激、情報、状況、あるいは他者の言葉や感情を、自らの批判や評価(エゴ)を一切挟まずに、ありのまま受け止めること。環境や運命に肩肘を張って抵抗するのを止め、全面的な肯定をもって自らの内なる器に収め切る精神の開国。 

成り立ち: 

受: 物を引っ張り合う「争」とは対極に、上から差し出す手(爪)と、下から恭しく受け取る手(又)が、舟や皿(冖)を介して美しく重なり合う象形。作為なく、与えられたものを「そのまま受け取る」調和の動態を象徴しています。 

容: 覆い(宀)の下に、すべてを呑み込む広大な「谷」を配した文字。何もない空洞(スペース)だからこそ、流れ込んでくるあらゆるものを拒まず、ふたをして綺麗に「器の中に収め、ゆるす」様子を象徴しています。 

二字が合わさることで、「世界から差し出された過酷な現実(受)を、自らの内なる深い谷(容)の中に一点の摩擦もなく収め、完全に一体化させる」という、極めて静かで強靭な精神の包容力を表現しています。 

【私の概念】 

素直 

成長 

人間力 

【考察】 

受容の本質は、困難に屈服する「あきらめ(妥協)」では断じてありません。それは、私心という摩擦係数をゼロにすることで、自らが本来持っているエネルギーを100%世界へと解き放つ「人間力」の究極の到達点です。 

1. 逆境を「絶好の機会」に変える、素直なエネルギーの超伝導

人間にとって真の成長が始まるのは、良いことだけでなく、自分にとって好ましくない「悪いこと=苦難や苦境」を素直に受け入れた瞬間です。 多くの未熟な人間は、病気や落選、経営の危機に直面した際、「なぜ自分が」「こんなはずはない」と逃げ回り、虚勢を張って入口で踏ん張ります。しかし、その肩肘を張った抵抗のバリアこそが、自らの精神を激しく疲弊させ、周囲への「怒り(他責)」という負のパワーを生み出す原因です。現実を拒絶している間は、エネルギーが内輪揉めを起こし、次の一歩を踏み出すための0.2秒の即行も、冷静な観察力もすべて奪われてしまいます。 

2. 平時と難局で「歴然たる差」を生む人間力の器量

寒ければ「冷たい」と現況を肯定する滝行の理(ことわり)の通り、「今、ここにある過酷な現実」をそのまま頂戴すること。 この受容の境地に達した人間は、無駄な抵抗にエネルギーを一切浪費しないため、外からは見えなくとも、内面において凄まじい勢いで精神性が太く、強く鍛え上げられていきます。平時にどれほど威張り、偉そうな知識(見識)を語っていても、受容を避けている者の虚飾は、難局や逆境という時代の地震が来た瞬間にいとも簡単に剥がれ落ち、自己崩壊へと向かいます。一方で、すべてを受容する心の準備(胆識)が事前に完了している人間は、逆境の真っ只中にあっても無理に強がることのない正常心(自然体)を維持し、それを自分をさらに大きく磨くための「最高の砥石(因)」として、感謝と共に手中に収めることができるのです。 

3. 肩の力を抜き、能力を100%解放する生き方

「全面的に受入れることで、自分本来の生き方を自然体で楽しく全うすることができ、本来持っていた能力が100%解放される」。この言葉は、宇宙の因果律に裏打ちされた経営・生存哲学の極致です。 自我や承認欲求というエゴの鎧を脱ぎ捨て、人生の流れに身を委ねる(流るるがごとく)とき、私たちの心には広大な「空白(虚)」が生まれます。バリアが消えたからこそ、他者や社会からの温かい理解や良縁(協力者)がその深い谷へと自然に流れ込み、組織として、また個人として想像を絶する大きな成果(果)を創り出すことが可能になります。受容とは、自らを宇宙の無限のエネルギーと同期させ、授かった魂(心)の輝きを最大限に発揮させるための、最も賢明で、最も道理に適った生き方そのものなのです。