【仕掛在庫の圧縮】在庫を「3.0ヶ月から2.3ヶ月」に削減!キャッシュフローを劇的に改善したSCM(サプライチェーン)再構築
実際にある製造現場において、これまで3.0ヶ月分積み上がっていた在庫を2.3ヶ月分へと大幅に削減し、劇的なキャッシュフローの改善を達成した事例があります。この成果をもたらしたのは、勘や経験に頼った生産計画から脱却し、SCM(サプライチェーンマネジメント)を根底から再構築する戦略的なアプローチでした。
多くの現場では、機械の稼働率を上げることや、欠品を出さないことばかりが優先され、各工程が独自の判断で過剰な前倒し生産を行ってしまいます。これが、現場に仕掛在庫が溢れ返る根本原因です。この状態を打破するために行ったSCM再構築のポイントは、主に3つあります。
第1に、全体の工程を「プッシュ型」から「プル型」へ転換することです。前工程が作れるだけ作って次工程に送るのではなく、後工程が消費した分だけを前工程が補充する仕組みを作ります。これにより、工程間に必要以上の仕掛在庫が滞留することを防ぎ、生産のバッファを最小限に抑えることが可能になります。
第2に、生産リードタイムの徹底的な短縮です。仕掛在庫の量は、リードタイムの長さに比例します。加工時間そのものだけでなく、工程間の移動時間や、段取り替えによる待ち時間といった、付加価値を生まない無駄な時間を徹底的に洗い出しました。治具の共通化や段取りの標準化をすすめ、リードタイムを短縮した結果、自然と現場の在庫が削ぎ落とされていきました。
第3に、販売動向と直結した生産計画のリアルタイム化です。営業部門が持つ受注予測と、製造現場の進捗データを分断させず、緊密に連携させる仕組みを導入しました。市場の需要変化に合わせて生産ラインのペースを柔軟にコントロールすることで、作りすぎのリスクを未然に防ぎ、適正な在庫水準を維持し続ける基盤を確立しました。
在庫を3.0ヶ月から2.3ヶ月へと削減したことで、眠っていた資金がキャッシュとして一気に解放され、次なる設備投資や人財育成への原資へと変わりました。さらに、現場のスペースが空いたことで作業効率が向上し、品質不具合の早期発見にもつながるという副次的な効果も生まれています。
在庫は会社の資産ではなく、隠れたコストでありリスクです。SCMの再構築を通じてプロセス全体を最適化し、筋肉質な経営体質へと変貌を遂げること。これこそが、不確実性の高い現代において、確実な利益を会社にもたらす経営者の重要な決断です。
ルールで縛る5Sから、仕組みでワクワクさせる5Sへ。改善パトロールという仕掛けを通じて現場の主体性が目覚めたとき、工場は驚くほどきれいで安全になり、それは必ず品質の向上と圧倒的な生産性という形で会社に大きな利益をもたらします。



