【製造業の経営】#06:労働生産性

・労働生産性とは

・日本の労働生産性の立ち位置

・なぜ、日本の労働生産性は後退したのか

・労働生産性改善のカギ

《労働生産性とは》

定義: 投入した労働量(人・時間)に対して、どれだけの付加価値(利益やモノ)を生み出したかを示す効率性の指標。

計算式:

1人あたりの労働生産性: 労働生産性 = 付加価値額(または生産量)÷  従業員数

1時間あたりの労働生産性: 労働生産性 = 付加価値額(または生産量)÷ 延べ労働時間

その他の経営管理指標

労働コスト生産性 = 総生産量 ÷ 労働コスト

労働コスト比率 = 労務費 ÷ 売上高

間接労働比率 = 間接部門の労働時間 ÷ 総労働時間

《日本の労働生産性の立ち位置 》

下のグラフは、一人当たりの名目GDPの推移ですが、1992年以降横ばいが続いています。製造業もほぼ同じ傾向になっています。OECDデータによれば2000年の日本の製造業の労働生産性は、OEDC加盟国中1位でしたが、2019年には18位になっています。

中小企業と大企業間に大きな差があることも、今後の改善方向性を示しています。

《なぜ、日本の労働生産性は後退したのか》

労働生産性を高めるためには、単純に言うと、売上を上げて、その分の単位労働時間を減らすことが求められます。しかしながら、人口減少が進む日本において、既存の製品市場だけで売上を伸ばしていくことは容易ではありません。

一方では、助成金による補助、デジタル化による業務効率化、自働化、標準化は、確実に展開されているにも関わらず、一向に労働生産性が改善されない背景には、これらの対策を活用した生産性向上効果の還元先として、販売価格を下げて、製品の回転サイクルを早め、たくさん造ってたくさん売るということを是とするオペレーションが依然として継続されているケースがあります。加えて、新たな付加価値創出への投資を促進するというよりは、企業内部の金融資産を増やす方向で経営が行われているケースもあります。

《労働生産性改善のカギ》

真っ先に手をつけなければならない課題は、販売価格の戦略見直しと内部留保の有効活用になります。このような現場で働く人が、報われない経営は、いい加減に是正して健全経営に舵を切るべきです。

また、設備投資も他国並みに、継続的に続ける必要がある。現在の日本では、戦略的な産業である半導体と電気自動車には集中投下しているが、長期的または既存産業の効率化への投資が少ないことも、国際的な競争力が衰退している要因である。