【概念思考】畏れ
意味
神仏や圧倒的な存在に対して、敬意を払いながら身を慎む気持ち(畏敬の念)。 単に恐怖を感じて逃げ出したい感情(恐れ)とは異なり、相手の圧倒的な強さや尊さ、不可解さに対して敬う気持ちを含んだ慎み・かしこまり・恐縮を指す。
漢字の成り立ちなど
「甶(大きな頭をした幽霊・鬼)」と「虎の形」の組み合わせに由来する。圧倒的な威圧感を持つ存在に直面し、恐怖を感じて身がすくみ、つつしむ様子を表している。
- 「恐」との違い: 「恐」が身の危険や不安から逃げたい感情を指すのに対し、「畏」は対象への尊厳や敬意を前提とした感情である点に本質的な違いがある。
概念
・敬う ・畏敬 ・謙虚
コラム
大昔、科学が未発達だった時代、人々は自然災害や得体の知れない現象を神仏の怒りや自らの行いが招いた災いとして理解し、そこに深刻な「畏れ」を抱いていた。
現代では科学が大きく発展し、ダークマターやダークエネルギーといった未知の存在にすら科学的根拠があると推定できるようになっている。表層的な神様に対する昔ながらの畏れは薄れたかもしれない。しかし、万物に科学的根拠があると確信できる現代においてすら、「その科学という仕組み自体が存在する理由」は依然として人の知性を超えた領域に存在する。
日常生活やビジネスにおいて、すべてを理解したような態度をとる人がいる。しかし、この世のどれだけのことを知り、どれだけの経験値を持っているのだろうか。一分野の専門家であっても、その世界の全体像から見ればほんの一部を理解しているに過ぎない。
謙虚であれば自らの未熟さを知り、さらに学び続ける必要性を痛感するはずだ。解明できない自然や社会に対して「畏れ」を抱くことは当然であり、その畏れがあるからこそ、人は過信を捨てて自らを磨き、精進しようと思えるのである。


