【概念思考】「師」 

「良師を得たならば、他を顧みず、師のいわれるがままに、全くそのとおりに勉強せよ」 

そうすれば、必ず豁然(かつぜん)として道は開け、奥堂に達すべき光明が現れます。興味は津々として湧き、中途で止めようとしても、とうてい止めることはできなくなります。 

私は、概念思考において「師」をこのように捉えています。 

運命 

目標 

心の拠り所 

師とは、単に知識や技術を教える「先生」のことではありません。自分の生き方そのものを導く存在です。 

漢字の語源から紐解く「師」 

「師」という漢字の旧字体(師)は、以下の2つの組み合わせから成り立っています。 

【𠂤(し)】:小高い丘、あるいは物事がうずたかく積み重なっている様子。 

【帀(そう)】:めぐる、囲む。 

多くの人々(軍勢)が、小高い丘のまわりを囲むようにして集まる姿が、この文字の起源です。転じて、「多くの人々がその徳を慕って仰ぎ見る存在」「手本となる人」を意味するようになりました。 

️ 師を持たない人生はあるのだろうか 

社会を見渡せば、両親、学校の恩師、ビジネスで出会った先輩、あるいは一度も会ったことのない歴史上の人物まで、誰もが心の中に「師」と呼ぶ人を持っているのではないでしょうか。 

もし、師を持たずに生きている人がいるとすれば、それは一度も苦難や逆境を経験したことがないか、あるいは「こう在りたい」という高い目標を持たずに生きてきた人かもしれません。 

師は、私たちが人生の荒波に揉まれるときの「心の支え」であり、超えるべき「目標」でもあります。しかし、どんなに大きな成果や記録を出したとしても、自分の中で師を真に超える瞬間など、永遠に訪れないのかもしれません。 

私の命を救ってくれた、二人の師 

私にとっての師であり、人生の目標は、「実父」と「稲盛和夫さん」です。 

この年齢になって初めて、「あのとき、親父はどんな気持ちだったのだろうか」と理解できるようになり、大きな決断を迫られたときには「親父ならどう判断しただろう」と思いを馳せます。 

そして、稲盛和夫さん。 可能であれば私に乗り移ってもらいたいくらい、心から尊敬し、感謝しています。もし稲盛さんの思想に出会わなかったら、私は今のような生き方はできていなかったでしょう。もしかしたら、この現世にすら居なかったかもしれない。 

私にとって稲盛さんは、単なる経営の師ではなく、「命の恩人」なのです。感謝の言葉だけでは、到底足りない存在が心の中にあります。 

魂を磨き、次世代へと繋ぐ 

素晴らしい師に出会えるかどうかは、その人の「運命」をも左右します。 先人の生き方に学び、自我を捨てて徹底的にその教えを実践する。その修養のプロセスこそが、私たちの魂を磨き上げてくれます。 

かつて師が自分を照らしてくれたように、今度は自分が誰かの行く道を照らす存在になれているだろうか。師の背中を追いかけながら、その問いを常に自分に投げかけ続けています。 

あなたにとって、人生の危機を救ってくれた「心の師」は誰ですか? 

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