「クレイジーキルト」の魔法:利害関係者を巻き込み、競合をパートナーに変えるネットワーキング術

「新しいビジネスを始めたいが、自社だけの経営資源では限界がある」
「同業者や競合とは、どうしても価格競争やパイの奪い合いになってしまう」

多くの経営者やビジネスリーダーが、このような「自前主義の限界」や「不毛な競争」に頭を悩ませています。

先の見えない不を打ち破り、予想もしなかった新しいビジネス機会を次々と創り出す思考法があります。

それが、エフェクチュエーション(起業家的意思決定理論)の第三の原則、「クレイジーキルト(Crazy Quilt)」の魔法です。

■ 「クレイジーキルト」の原則とは何か?

クレイジーキルトとは、あらかじめ決められた型紙(計画)に沿って布を切るのではなく、様々な色や形の余り布(持ち寄った資源)をパッチワークのように継ぎ当てて、唯一無二の美しいキルトを織り上げていく手法を指します。

ビジネスにおけるこの原則の本質は、「競争相手を排除するのではなく、利害関係者(パートナー)として巻き込み、共に新しい市場や価値を創り出していく」というアプローチです。

一般的なアライアンス(提携)では、「この目標を達成するために、あなたの会社は何ができますか?」という条件交渉から始まります。

しかし、クレイジーキルトでは違います。

「私たちは何ができるか。あなたは何をしたいか。まずは一緒になって、何ができるか小さな実験を始めてみよう」

ここには、事前の市場予測も、厳密な競合分析もありません。あるのは、互いの「手中の鳥(リソースや想い)」を持ち寄り、コミットメント(関与)を積み重ねていくことで、結果として誰も見たことのない大きなビジネスの輪(キルト)を広げていくというダイナミズムです。

■ コミュニティとネットワークの現場で起きる「共創」のリアル

現場で日々痛感するのは、素晴らしいイノベーションを起こす経営者ほど、この「クレイジーキルト」の思想を体現しているということです。

彼らは、同業者を「敵」とは見なしません。「競合をパートナーに変える」というオープンな姿勢を持っています。 例えば、私が主宰する製造業リーダーズネットワークの目的もまさにここにあります。

自社利益のみならず他者を想う、経営の原点である「利他の精神」


立場や経験、技術への敬意を忘れない「互いに尊重」する姿勢
良好な関係を築く基盤となる「感謝の気持ち」
組織の壁を取り払った「公開性」の高い情報交換

これらの心得を持つ経営者たちが集まると、驚くような化学反応が起きます。 1社では受託できなかった大規模な案件を、競合関係にあった数社が技術を持ち寄って「高付加価値製品の共同開発」へと昇華させたり、外部メディアと連携して新たな販路を切り開いたりといった事例が、次々と生まれ始めるのです。

■ 「利他」から始まるキルトの一片

クレイジーキルトを織り始めるために、特別な予算や大掛かりな仕組みは必要ありません。 大切なのは、目の前の出会いに対して「この人から何を奪えるか(テイクできるか)」ではなく、「自分の持っている資源(手中の鳥)を、この人のためにどう活かせるか(利他)」という問いから始めることです。

「単なる名刺交換で終わってしまい、ビジネスに繋がらない」とお悩みの経営者の皆様。 まずは、自社の手の内を少しオープンにし、地域の仲間や同業者との本音の対話(1on1や傾聴)から始めてみませんか?

その小さな対話という「最初の一片」が、やがてあなたの想像を超える強固で美しいビジネスのネットワークへと育っていくはずです。

全会員が共に成長するコミュニティーを創造する。 現在、私は茨城県を中心に、製造業の「想い」を現場の「行動」へつなぐ経営支援を行う傍ら、経営者様限定の「100社対話インタビュー」を無償で実施しています。

自社の強みを活かした新しいパートナーシップの構築(クレイジーキルトの実践)や、製造業の「今」と「未来」について、まずはざっくばらんにお話ししてみませんか?

ご興味のある経営者様は、ぜひDMまたはコメントにてお気軽にご連絡ください。

(Virtue & Intellect 代表 / 製造業リーダーズネットワーク 代表 鈴木 美徳)